免疫治療
がんの免疫には自然免疫と獲得免疫の2種類があり、前者は主に非特異的(抗原に関係ない反応)で後者は特異的な反応です。現在行われている免疫療法は免疫細胞療法のほかに、腫瘍の抗原や細菌の抗原を利用したワクチン療法、インターフェロンをインターロイキンなどの主に免疫細胞が出すサイトカインを用いたサイトカイン療法、最近由来の抗原によるBRM療法など、いろいろあります。
また同じワクチン療法でも腫瘍に特異的な免疫を賦活する特異的ワクチン療法と細菌の細胞膜由来の抗原を用いた非特異的ワクチン(BRM)療法があります。ただ最近の研究からこれら非特異的免疫賦活効果によりTLR(toll like reseptor)を介して特異的な免疫が賦活化されるメカニズムが解明されつつあり、次第に自然免疫と獲得免疫の差が縮まってきています。
免疫細胞療法も樹状細胞を用いたものやCTL、腫瘍内浸潤T細胞を用いたTIL(Tumor Infiltrating Lymphocyte)による特異的なものと主に抗原非特異的に増殖させたLAK細胞(Iymphokine Activated Killer cell)、CD3抗体で刺激して得られるαβT細胞、γδT細胞、NK細胞※1、NKT細胞※2などのような非特異的なものと区別されています。