副作用として発熱や血圧低下が起こる場合がありますが、解熱剤やごく少量のステロイドを投与することで、副作用はほぼ抑えることができます。

治療で使用するがん抑制遺伝子は正常細胞にもともと備わっている遺伝子ですので、投与することで正常細胞へ影響を与えることはありません。

抗がん剤治療や放射線治療は細胞分裂の際に遺伝子を攻撃して細胞死に追い込みます。遺伝子治療も類似した仕組みであるため、抗がん剤治療は放射線治療の効果を増強させることができます。

遺伝子治療の効果は血管やリンパ管から全身の細胞に広がりますので、転移の恐れがある手術後の再発予防にも有効となります。

まだがんを発症していなくても、がん抑制遺伝子が正常に機能していない前がん状態の細胞も自滅に追い込むことができますので、がん発現の予防にも効果的です。

抗がん剤は、使用し続けることで体内に耐性ができてしまい、同じ抗がん剤であっても効かなくなることがあります。遺伝子治療は直接細胞内に入り作用するので、体内に耐性ができることはありません。

抗がん剤や放射線が効きにくい、がん幹細胞や難治性のがんにも効果を現すため、遺伝子治療を併用すると治療効果が飛躍的に上がります。

他のがん治療との併用、がんの予防・再発防止、末期がんの延命などにも効果があります。また、抗がん剤治療や放射線治療と併用することでの相乗効果が期待でき、結果として抗がん剤や放射線の量や回数を減らすなど、広範囲での適用効果が期待できます。

遺伝子治療は変異した遺伝子をターゲットとしており、その遺伝子に直接作用するため、様々ながんに対して効果が期待できます。また、ストレスに強いがん幹細胞や抗がん剤が効きにくい難治性のがんにも効果が期待できます。

通常の治療方法は点滴投与となります。がん腫瘍へ直接注入する方法も可能ですが、特別な施設や装置は必要としません。