2017年04月01日
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)は、種々の疾患と関連が報告されており、これらの中でも最も研究が進んでいるのが腫瘍との関連です。固形腫瘍がある一定以上大きくなるためには、腫瘍に栄養や酸素を供給するための血管新生が必要ですが、MMPsは血管周囲の基底膜を分解することにより血管新生を促進することが知られており、腫瘍の増殖への関わりが理解されています。
MMPs にはサブタイプがあり、血管新生には主として基底膜を選択的に分解するゼラチナーゼ群(MMP-2,MMP-9)が関係しています。
MMPs が血管新生や腫瘍の増殖に関係することは、ノックアウトマウスを使った研究や特異的MMP阻害薬を使った研究により証明されてきています。
掲載論文は、MMP-2によるMMP-9の活性化が、腫瘍転移を刺激するメカニズムについて述べられています。